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イベントガイド 京漆器とは? これからの京漆器を考える 京都漆器工芸協同組合について 資料コーナー
京漆器の歴史
  漆器は英語で「ジャパン」と呼ばれ日本を代表する工芸品です。縄文時代には漆工が行われ様々な材料に用いられていました。奈良時代には蒔絵が生まれ平安時代へと受け継がれ、とりわけ室町時代以降京都を中心に栄えた茶の湯の文化と共に、浸透し全国漆器産業の中心となり栄えました。
前述のとおり京漆器は千有余年の歴史に育まれ、他産地に見られない「わび」、「さび」といった内面 的な味わいを備え、その洗練されたデザインと、技術、技法により特に高級品を主に茶道具、食器、調度品、家具等が製作されています。昭和五十八年「京漆器-近代の美と伝統-」発刊にあたり、明治以降分散していた資料収集が数年にわたり行われました。そこには業界の歴史、作品、千人を越える工人の履歴等が判明しました。先人達の伝統の積み重ねが現在の京漆器です。このすばらしい技術は今後も受け継がれていかねばなりません。近年、量 から質、すなわち見かけだけが良いものより本当に秀れたものを見直すという消費者指向の変化から、純粋の伝統的な京漆器があらためて脚光を浴びています。今後生活に潤いを与えてくれる漆器をもっと取り入れたいものです。現在京都漆器工芸協同組合は、前身の京都府漆器組合を業界のより発展と伝産法指定に向け改組、五十年に京漆器は通 商産業大臣より「伝統工芸品」に指定を受けました。現在組合員は商部を含む木地部、塗り部、蒔絵部で組織されています。
 
京漆器の特徴
漆器は、日本、中国、タイなど漆産出国で発達した東洋独特の工芸です。なかでも日本の漆器は、早くから世界的名声を博し、漆器を総称して「ジャパン」と呼ばれるまでになっています。

奈良時代、唐から伝えられた漆技を基に、日本独自の美的感覚で漆工技術を確立しました。この技術は、平安建都とともに京都に受け継がれ、蒔絵(まきえ)の技法が発達しました。以来、京漆器は、各時代の風潮を反映し、室町時代には、茶の湯と結びついたわび、さびの内面 的なあじわい深さを感じさせる「東山時代物」が登場しました。安土桃山時代には、新興武士階級の好みを代表するような華麗な「高台寺蒔絵」、町人文化の栄えた江戸時代には、本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)、尾形光琳(おがたこうりん)などが豪華・緻密な意匠様式を残してきました。特に、工芸の各分野において、卓越した才能を発揮した本阿弥光悦は、金蒔絵に金銀貝、青貝などを配した光悦蒔絵と呼ばれる斬新な感覚を表現し、元禄期に現れた尾形光琳にも大きな影響を与えました。光琳派の技法は、琳派(りんぱ)と呼ばれ、現代にまで受け継がれ、京漆器はもちろん諸工芸、インテリア、建築など各種デザインに影響を与えています。

京塗(きょうぬり)、京蒔絵とも呼ばれる京漆器は、最高の素材の選択、お膳や重箱の角などのくくり錆(さび)という特別 な手数をかけた工程や独自の装飾技法の確実な踏襲、そして洗練された美意識において、特に高級品分野では他産地の追随を許しません。優雅なデザインと器物の強さ堅さ、平面 の美しさ、かどの切立の美しさ、その繊細な仕上がりが特徴です。
京都の漆工芸品
千年の歴史のある京都は洗練された数々の漆工芸品が作られています。

●茶道具(なつめ、炉縁、茶棚、四方盆、香合、じきろ、など)
●祝儀調度品(広蓋、硯蓋、進物盆、文庫、免状箱、硯箱、祝膳、など)
●食器(お椀、重箱、縁高、御膳、盆、菓子器、など)
●家具、調度品(箪笥、飾り棚、座卓飾、小箱、花器、パネル、など)

豪華で、繊細な趣をかもしだしています。
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